消防官を目指して世界史を勉強している人
落ちますよ。
この科目は、圧倒的にコストパフォーマンスが悪い科目です。絶対に手を出してはいけません。
例え話をしますから、イメージしてください。
皆さんが転校するとします。日本の学校へ転校するか、イタリアの学校に転校するかを選択できるとします。
日本の学校には、鈴木、高橋、佐藤、田中、斉藤などお馴染みの苗字の友達がいます。
イタリアの学校には、ゴッタルディ、ブリーニ、モラテッリ、レッダ、カッレガーリ、はじめて耳にする名前です。
転校先の学級には、日本では35人の友達が、イタリアでは100人の友達がいます。
どちらの学級を選んだ方が、友達の名前を早く覚えられますか?
そりゃ、断然、日本の学校です。馴染みのある言葉だし、覚える量(友達の数)も少ないからです。
この選択が公務員試験の勉強科目だとすれば、日本に転校する場合は、政治経済を勉強するケース。一方、イタリアを選ぶ場合は、世界史を勉強するケースです。
政治経済は、国会、内閣、裁判所など、馴染みのある日本語。分量も少なく、覚えやすいし、忘れにくい。
一方、世界史は馴染みのない言葉だらけ。勉強範囲も広くてものすごい分量。覚えづらく、覚えたとしても記憶の維持に莫大な復習時間を取られます。
この科目に手を出して良い人は、大学受験で世界史を選択していて、少し勉強すれば苦もなく内容を思い出せる人です。極めて限定的な受験生です。世界史は、消防官採用試験に挑戦するからといって手を出す科目ではありません。
あなたのスクールの講師は、なぜ世界史を勉強することを止めないのですか?そこに受験戦略はないのですか?
「いや、政治経済はもう勉強が終わっているんです。」
と言うならば、
「他の科目を勉強してください」
と返します。
語呂合わせなど単発で覚えても得点には繋がらないし、勉強時間のほとんどをドブに捨てることになります。
講師自身が大学受験を経験していない。したとしても、一般受験でなく、内部進学、推薦などでたいした受験勉強を経験していなからです。世界史のコスパの悪さを身を持って経験してないから止めないのです。
私が、高校3年の成績で、クラス下から2番目、学年下位5%の成績から早慶マーチレベルの大学に合格できた秘訣の一つは、世界史というボリューミーな科目を捨て、政治経済に切り替えたからです。世界史だけは、10段階中の10で、300人中、学年1位でしたが、それでも
コスパ悪くて捨てました。
公務員試験でも一秒も勉強していません。それでも、LECの模試で5位です。
そもそも、世界史の出題数をご存知ですか?
下記の内訳を見てください。東京消防庁では、世界史は45問中たった一問しか出題されません。死ぬほど勉強しても得点できるか分からない上、得点できても1/45点です。
東京消防庁消防官I類・教養試験の出題内訳(令和3年 2021年5月実施)
※数字は問題番号です。
- 1~5 文章理解・現代文(要旨把握)
- 6~8 英語・英文(会話文)
- 9~12 判断推理(論理・集合・対応関係・試合)
- 13~14 空間把握(正八面体の展開図・切断面の形)
- 15~18 数的推理(球の半径・面積・旅人算・式を満たす整数の値)
- 19~23 資料解釈
- 24~26 政治(国民の権利と義務・国会・民主主義の原理に関わる思想)
- 27 経済(国民経済の指標とGDP)
- 28~30 時事(首相の在職日数・2020年国勢調査・近年のアジア情勢)
- 31 世界史(百年戦争)
- 32 日本史(室町時代の産業)
- 33 地理(地図の図法)
- 34~35 国語(四字熟語)
- 36~39 数学(2次関数の最大値・集合・面積比・場合の数)
- 40~41 物理(電流と磁場・コンデンサーに蓄えられる電荷)
- 42~43 化学(非金属元素の単体と化合物・塩化水素の結合エネルギー)
- 44~45 生物(生態系・生態や環境に関する記述)
結論。世界史は捨て科目。私は日本史も捨てました。
口調が厳しくなりましたが、科目の選択を誤るといつまで経っても合格できないからです。皆さんが路頭に迷うのを見ていられないからです。
1日でも早く消防官になりたければ、受験の鬼になれ。
受験戦略をしっかりと立て、勉強する科目と捨てる科目を考えてください。